Summer Think,

インドネシアの新しい大統領にジャコ・ウィドド氏が決まった。スハルト独裁政権下からユドヨノ、「民主化」の動きの中での彼の存在が再定義されたというのは興味深くもあるが、個人的に中国離れからタイ、インドネシア、フィリピン、特にインドネシアの人口…

not too late

“ターミナル期”にある人の心理プロセスは、よく一般書でも紹介されている。例えば、末期がんを告知されたら、否認する。自分にそんなことが起きるはずはない。これは病気に関わらず、想像を超える事象が突然、迫ると、受け入れることはまずできない。夢じゃ…

喪失の途中の向こう、

USが作ったこの数年で起きた大きな世界中の大きな事件を纏めたドキュメンタリーを観ていた。震災、紛争、無慈悲な現実に最低限のナレーションがつき、想い出す、とかではない、そのままに歳月は流れて、そのままに在るという証左だけを残した。スマートフォ…

チネ・チッタで仮眠を、

ゲシュタルトという心理学用語のみならず、集団になると、非・論理的になってしまう傾向がある。多数決の理(ことわり)だけではなく、寧ろ、数の論理だけで片付けられない、自分の“ソト”にある全体主義が非・論理的な内在侵食をしてくることが増えた。世界…

Crazy Crazy / 明日 / 放たれるように

星野源の新曲が既にあちこちで流れている。一曲は、ラジオ局で既に馴染みだった「桜の森」、そして、初の両A面たる「Crazy Crazy」は叮嚀までにシックな作りになっていて、過去から取材で“クレイジーキャッツ“の名を挙げていたような、オマージュのようなス…

5月病を抜けて、

ベトナムやタイの件もあったものの、過重で根を詰めざるを得ない事柄に少々、エネルギーを取られている間に、朝起きるのがつらくなった。軽い抑うつ状態のまま、最低限のことに対峙しつつ、這いつくばるように、1日1日をおくることで、5月が過ぎた。生きるこ…

005 『入門クラウドファンディング スタートアップ』(山本 純子:著 日本実業出版社 2014年)

入門クラウドファンディング作者: 山本純子出版社/メーカー: 日本実業出版社発売日: 2014/02/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るクラウドファンディングというシステムを使って、幾つかの企画を考えている会議に参加しながら、これは「企…

スガシカオ「LIFE」という名詞

1)再確認ほどの大層なものではないが、“life”は名詞であり、「人生」もしくは「生命」を指す。比して、“live”は動詞。「生きる」といった意味を含む。名詞はピン留めされる。だから、進行形の唄を進んできたスガシカオがこのたび二度目のメジャーデビューと…

工藤鴎芽『キネマ』によせて― 切断可能のロマンティシズム

1)選べない娯楽、拮抗する現実の不安 一般社団法人日本映画製作者連盟の発表による2013年(平成25年)の全国映画概況では、入場人員は前年比100.5%で1億6,000万人近くながら、興行収入は99.5%で、1,974億円で、公開本数は1,117本となっている。 存外、厳しく…

ゴールデン・ウィークは徒然に

雑記的に。周辺で話題になっているのが週刊ダイヤモンドの特集『年収1,000万円の不幸』。週刊 ダイヤモンド 2014年 5/10号 [雑誌]特集1 年収1000万円の不幸/専業主婦/教育費/家計破綻/所得税/プチ富裕層/消費増税/給与所得控除/児童手当/高校無償化/配偶者控…

004 『組織の経済学』(ポール・ミルグロム : 著、ジョン・ロバーツ : 著 NTT出版 1997年)

組織の経済学作者: ポール・ミルグロム,ジョン・ロバーツ,奥野正寛,伊藤秀史,今井晴雄,西村理,八木甫出版社/メーカー: NTT出版発売日: 1997/11/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (36件) を見る 米スタンフォード大学経済学部…

003 『老人漂流社会』(NHKスペシャル取材班:著、主婦と生活社 2013年)

老人漂流社会作者: NHKスペシャル取材班出版社/メーカー: 主婦と生活社発売日: 2013/11/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る2013年1月のNHKスペシャル『終の住処はどこに 老人漂流社会』を底本にした内容で、無縁化する社会の中で、老後の…

002『統計学が最強の学問である』(西内 啓:著、ダイヤモンド社 2013年)

統計学が最強の学問である作者: 西内啓出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2013/01/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 11人 クリック: 209回この商品を含むブログ (129件) を見るGoogleのチーフ・エコノミスト、ハル・ヴァリオン(Hal Ronald Va…

田舎の生活

”田舎の生活”に焦がれる人は多く、そういったものを推進する動きもある。Uターンのみならず、Iターンも目立ってきた。都会出身者の定住を求めながら、ふるさと納税も促す。反面、限界集落の問題、極端な少子高齢化により、地方自治体によっては財政状況は厳…

recommendの設定について

このブログも一応は便宜的にカテゴリーを分けておりますが、 新しく、”recommend”という枠を作ることにしました。レコメンドしますものは、主として、経済関連の書籍です。また、専門書も多く取り上げます。その際に、レビューではなく、説明要素を強めるが…

ルルルルズ『色即是空』によせて

ぬかるみの世界へ ようこそ ここから始まる (「ぬかるみの世界」)2013年に、結成したてのルルルルズのライヴを観た際に、インプロヴィゼーションの妙、音楽がふと、沈黙するときの美しさによって、よりバンドとしての訴求性が出てくるかもしれない、という…

breakthrough Guild

日本における高等教育は内部瓦解を起こしていると言われる。過去、エール大学文学部教授だったが、執筆活動に一意専心すべく学界を去ったウィリアム・デレズビッツの論文「エリート教育の弊害」では「大学は知性を磨くためにあるのであって、キャリアを磨く…

春と鶯に誘われる陽だまり

昨年に思えば、ややパラノイアックに桜、花見をしていたのは既性への葬送の擬似作法だったのかもしれず、何かに「拘る」という行為は、その拘った分だけの時間や感情をどこかに売ります。そして、牧歌性とは違った文脈で、自己の再組成を促す―としたら、禍福…

on your incurable romantic world

チバユウスケは08年の詩集『ビート』のあとがきで以下のような旨を記している。チバユウスケ詩集 ビート作者: チバユウスケ,中村水絵出版社/メーカー: フォイル発売日: 2008/11/06メディア: ペーパーバック購入: 7人 クリック: 56回この商品を含むブログ (19…

タモリは、続く

この時期にナイーヴかもしれないが、タモリ≒TVメディアの終焉(周縁)を表象するように、亡き赤塚不二夫の弔辞の際の彼を巡る言葉以上に、昼・タモリが終わる、同時に、タモリを敬う磁場は不気味にさえ思える。確かに、32年もの間、昼の生放送を多少の欠勤は…

バイーアに行ける日まで

00年代の終わりに有給を二週間用意して、フリーチケットを取って、サンバ・パレードの時期のブラジルに行こうとして、頓挫した経験があります。それは、私は死ぬまでにブラジルに、特にバイーアに行かないと気が済まないという位の想い入れがあるのは、やは…

GREAT3『愛の関係』を巡っての雑考

しっかりしたレビューは媒体にて書こうと思っていますので、あくまでイントロダクション的に。追記:排除しないこだわり ―GREAT3『愛の関係』によせて http://www.musipl.com/articles/article/00003-matsuura-01.htmlとして、UPされております。***哲学…

作法としての書替作業

「昇りなされ、或いは下りなされ、同じことじゃよ」 (ゲーテ「ファウスト」より)今の世の中でアンビヴァレント(両義的)であることは本当に難しい。アンビヴァレントの意図性は、グラム何円で論文を売る世界のような旧弊墨守な価値観と再接近する可能性が…

my private 5 selection of Romania Modern Minimal

ルーマニアの“ダンス・ミュージック”と括るには限界があるのは、地域性とグローカルという流れの中で、メディア的にピックされる北方のバカウから一気に人気を博し、DJ兼サウンド・プロデューサーのRARESHや、もっと汎的には拓けたダンス・ポップの要素を包…

眼鏡とカルマ

「眼鏡」そのものに罪はない。しかし、眼鏡という象徴記号に伴う自我やイメージを軽んじては、眼鏡に「掛けられる」。眼鏡そのものを掛けている自分という主体に客体としての眼鏡が境界線を無くすことで、要はそこにはレンズ越しに見えている世界と被・レン…

Can't u hear social voice,

04年のシャーリーン・リー、ジョシュ・バーノフ『グランズウェル―ソーシャルテクノロジーによる企業戦略』は刊行当時、話題にはなったものの、ソーシャルテクノロジーが機関寄与を護るのではなく、互助でうねりを作っていこうという提題は「無理」があるとい…

isn't Over the night?

暖かくなったり、寒くなったり、シーソーのように変わる。梅の花が咲き始めると、春の馨りが鼻腔をくすぐって、少し自販機でお茶でも買って公園などのベンチに座って空を見上げたくなる。でも、PM2.5の関係かマスク越しに飲むお茶と大気はぼんやりと味が違う…

BATHROOM SKETCHES『(…Across the)Yellow Town, Pink St.』によせて

数え切れない歴史、先達への敬虔に溢れたバンドである。バンド名のBathroom Sketchesにはパステルズからフリッパーズ・ギターなどのインスパイア、そして、ボーカル・ギター・シンセを負う青野氏は音楽ライターとして、自身のバンドに関してもそのインスピレ…

NEDAVINE『At Rest』

昨年後半から今年、2014年になり、ルーマニアン・モダン・ミニマル、ウィッチ・ハウス以降にインダストリアル・サウンドとIDMがシンクしたサウンド、エイドリアン・シャーウッド的なダブ意匠の深い音が増えてきているのを感じる。つまりは、レベル(REBEL)…

スガシカオ「航空灯」によせて

傷ついた人たちに「頑張ろう」と言うのは傷痕に塩を塗るようなもので、新聞の読者投稿欄の「正論」くらい味気なくなる。ひとつの喜びや誰かの成功を多くの人たちとシェアして、今を盛り上げる風潮にメディアがすぐに手のひらを返すのも「仮想敵」ができた方…