2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

BLUR『The Magic Whip』―遊びの空間性

2012年のロンドン・オリンピックは世界中継もされ、多くの人が観たが、競技そのもの以外に、開会式の豪奢な演出などから金満主義という見方もあれば、パフォーマンスの高さを称賛する声もあった中、その閉幕イヴェントを担った或る意味でUKを代表するアクト…

HARCO『ゴマサバと夕顔と空芯菜』を巡って

2012年にノーベル経済学賞をマッチング・プログラムの作成、制度への応用などにおいて評価され、受賞したアルビン・ロスは「市場」という暗黙の前提に疑義を呈す。既に市場はそこにあって、決まった言語で話せば“いいようになっている”が、実のところ、特定…

くるり「NOW AND THEN」を観て

1)「滅びの気配があるから、万象は美しい」と云う。その気配に怯えているようでは、額面のままの現実は拡張されてゆくばかりで、ときに過剰に「造形」されてしまう。CGの淀川長治があの口調でCMに出ながら、齢80を迎えた浜村淳は月曜日から土曜日まで、お決…

stopping on the way,don't worry

1)季節の変わり目なのか、懐かしい顔に連日会い、ただ、自身もエネルギーがあまりない時期なので、適度に、という日の中で、自分たち辺りの同世代からの報は前線での生存報告に近いものが多く、弱っている人たちも現に多かった。いや、「弱っている」、とい…

サザンオールスターズ『葡萄』を通じて見える遠望

《悲しい事は 言葉に換え 星を見上げて そっと歌うといいよ》 (「アロエ」)自分にとってサザンオールスターズとはいつも距離感のあるバンドで、それは、比較はできないものの、ミスチル、スピッツといった90年代から今に続くバンドに思春期が適応したとい…

money isn't money pt.1

春先で世知辛いものの、庶務で貨幣論の色んな束を紐解いている。「貨幣」という固い言い方じゃなければ、お金、MONEY。どうも、元々、曖昧な概念に尾びれがついて、お金が在るものになっている現状が過熱している。いや、お金は確かに「ある」のだけど、その…