yet yes

今は葬式でさえ、簡略化され、ネット越しに少数でストレスなく行なえる。逆に、祭式でさえ。関係者、親族を集める労力を思えば、事後報告で心理的、経済的、諸々のコストを削減すればいいというのは短絡的な話で、以前は、式次第は「関係力学」のための催し…

mind in sandstorm

年の瀬に邦訳書が出たのもありますが、トマ・ピケティ・ブームが来ているようです。それは寧ろ、元来の経済学的なフレームで「格差」という命題を扱ったというトピックではなく、社会科学、人文科学畑のタームで、いつかの『帝国』の“マルチチュード”ブーム…

my private best discs 30 2014 pt.7

新年明けてしまいましたが、2014年の私的30枚、完結です。5,V.A.『Fethno−小泉文夫没後30年記念企画』 FETHNO - FUMIO KOIZUMI MEMORIAL CONCERT LIVE ALBUMアーティスト: BALKAN,Le Club Bachraf,巻上公一,慶九,北川修一,豊田耕三,ちゃるぱーさ,OKI,寺原太…

my private best discs 30 2014 pt.6

今年は音楽的に大きなトピックがなかった、または、巷間で騒がれているものは底上げを強いられているようなものが多かった、なんてエクスキューズが行き交う2014年のシーンとも一部では言われていますものの、例えば、異分野ながら、流行語大賞のみならず、…

my private best discs 30 2014 pt.5

14,TORN HAWK『Let’s Cry and Do Pushups At the Same Time』 泣きながら腕立てしようぜ (Let's Cry And Do Pushups At The Same Time) [未発表ボーナストラック2曲(DLコード)+解説+帯]アーティスト: Torn Hawk出版社/メーカー: Mexican Summer / melting bo…

my private best discs 30 2014 pt.4

ゆっくりと歩みを確かめるようにすすめていますが、このゾーンは”2014年”という年代を関係なく、その後にも残ってゆくのではないだろうか、と思います三枚を。言わずもがなのアーティストの新作もありますが、フラットな感覚で受け止めて戴ければ。17,GINETT…

スガシカオ―パラレルに拓かれるセカイ

ぼく一人 だけになったら“死”と同じだから 自分殺して 過ごした 沈んだ プールの底のような日々 (「モノラルセカイ」) プールの底のような日々から、仰ぎ見る太陽は不思議な揺らぎとともに、柔らかな光の優しさ/遠さをもって目に映る。スガシカオが時おり…

my private best discs 30 2014 pt.3

20,Shugo Tokumaru『LITA-RUTA』http://www.tonofon.com/Lita-Ruta/ハイレゾなどの高音質、世界中の音楽を今やデスクトップから“覗き見”できる自由さと真逆のような不自由さ。不自由さというのは彼の音楽そのものではなく、10インチのレコードと段ボールプレ…

my private best books in economics 10 pt.1 2014

今年の経済書、私的10選ほど。今年と言いましても、以前に出ていまして邦訳されたものも相変わらずありますが、基本的に貨幣論、労働論の再定義やグローバリゼーション、キャピタリズムに対して新しい視角をもたらすものに魅かれました。10,『貨幣という謎』…

my private best discs 30 2014 pt.2

続きまして。25,D’ANGELO AND THE VANGUARD『Black Messiah』BLACK MESSIAHアーティスト: D'Angelo And The Vanguard出版社/メーカー: RCA発売日: 2014/12/23メディア: CDこの商品を含むブログ (27件) を見るエイフェックス・ツインの13年振りの新作も良かっ…

my private best discs 30 2014 pt.1

年の瀬ですので、じわじわと個人的な30枚を振り返っていこうと思います。例年にも増して、世界中の音楽と、その音楽を巡る民族性、歴史、文化連関性について想いを馳せることが多かったのと同時に、暗黙の共通言語がなくなってゆく中で、それでも、豊かに新…

“メロディー”を探す「Melody」の歌

誰かが気付くフレーズは誰をも阻害する)大病や壮絶な現実、またはハレたることに巻き込まれた人がそれまでとは視ている景色が全く違った、ようになったという事例がある。花の香りに敏感になった。感情の機微が繊細になった。人生観が変わった。多様に言わ…

贈られた価値をどう置き換えるか

GIFTという言葉には幾つもの意味が反映されます。日本語訳しますと、そのまま、贈り物、それは有償的なものもあれば、「ほんの気持ちで。」という手紙のような無償、内面性に依拠するものもあり、GATE(Gifted and Talented Education)のようにレベル策定を…

Kuala Lumpur pt.1

マレーシアはクアラルンプールへ行ってきました。もはや喧しく、ハラールの話題が日本でも事欠かなくなりましたが、ムスリムが大多数を占めながらも、人口規模としては小規模といえます約2,300万人、イングランドのコロニアル時代から鑑みましても、様々な人…

alone of hopeness

この前、アメリカで安楽死を選んだ女性のニュースがあった。いまだ議論は尽きないが、様々な状況下により、人間の「有たる、何か」は変わる。終わるときは突然、終わり、その「無」は自然と周囲に、周囲の日常、記憶に侵食してゆく。だから、在るか/無いか…

un-less than zero,

先日、久し振りに大阪城公園を歩いていたら、焼き肉の良い匂いがして、その方向の野外音楽堂では、コリアン・フェスティバルをやっていた。そして、すれ違う人たちは日本人よりも韓国の方、中国、台湾の方が圧倒的に多かった。みんな、self shot用の機器を備…

花絨毯の下に

承継者がいないのだろう、立派だった、果樹園、メロン農園が荒れ果てたままであって、でも、メロンを栽培し、育て、しっかり商流に乗せるのは簡単ではないことを以前に実業者の方に聞いて、Iターン、Uターンで農業を成立させるための導線には「人材」だけで…

simple thinking about Thomas Piketty『CAPITAL』

Capital in the Twenty-First Century作者: Thomas Piketty,Arthur Goldhammer出版社/メーカー: Belknap Press: An Imprint of Harvard University Press発売日: 2014/04/15メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (13件) を見る今年をある種、象徴した…

ヒラセドユウキ『Monochrome』について

不世出のフランスの作曲家、エリック・サティは1920年にいわゆる、室内楽曲「家具の音楽」を作曲したが、それは、日常の生活を遮断することなく、そこにただ、ある音楽を目指した。結果として、様々な解釈はあるが、ミニマルで甘美な楽譜から零れた余白が日…

My favorite worldwide 5 MV of the first half year 2014

最近は、MVも凝ったものや、予算をさほど掛けていなくとも、クールなものが増えてきていますし、世界中がRelatedしていますのもあり、繋がってゆく映像にはある種の意味が同時に透けて見えたりしましたが、上半期で個人的に魅かれましたものを5つほど。暗が…

奈良のジャンゴ・レコードを巡っての雑考

奈良のジャンゴ・レコードを巡った記事が話題になっているようです。【コラム】 県外就業率1位の『ベッドタウン』奈良県にあるレコード店「django」http://ki-ft.com/column/nara-django-records/今のレコード業界並びに、奈良という独特な地域での変容の中…

My favorite Japanese 10 songs of the first half year 2014

あくまで個人的嗜好としまして、季節外れでもありますが、2014年の半年で魅かれました日本の曲を10曲ほど。***Lamp「シンフォニー」 ふと遠国から思わぬ便りが届きますように、”ソング・サイクル”をめぐり、日本の湿った抒情をシティ・ポップとして預ける…

京都音楽博覧会2014について

序文をまず参考までに。 リンク先も時間がありましたら、見て頂けましたら。【八年目の京都音楽博覧会、つながる国境】for musipl http://www.musipl.com/articles/article/00013.html ***さて 続きまして、京都音楽博覧会についてのライヴ・レポートを。…

006 『地方消滅 東京一極集中が招く人口急減』(増田寛也:著、中公新書 2014年)

地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)作者: 増田寛也出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/08/22メディア: 新書この商品を含むブログ (37件) を見る「地方創生」、付随してIターンといった地方を巡る言葉は行き交い、議論は活発に行われ…

くるり『The Pier』巡礼 Pt.1

Pt.1悲しみの時代を生きることは それぞれ 例えようのない 愛を生むのさ (「loveless」)くるりは、不思議とシングルや単曲で浮かび上がるアウラがほぼ何らかの“直線的な”イメージ、オマージュと近似迂回するのと比して、アルバム・タイトルは反語的な要素…

after the information rush(for 9.11)

2001年9月11日は、大学の休暇の時期で資格の勉強などでキャンパスや図書館へ行ったりしていましたが、比較的、時間があり、穏やかに過ごしていて、00年を経て漸進的に反・グローバリゼーションの流れ、と、電子化の奔流が始まりつつも、まだまだ前夜のこと。…

missing:sustainability

「答えが(制限条件の中から、)ひとつ」である教育スキームは、基本は変わりなくあって、ゆとり世代(さとり世代、というのはまた別途に)の心はわからないという周囲と違って、自分とは違う長けたアンテナが確実にあって、全く基礎教養がないこともないし…

町と街の間で

マレーシアはクアラルンプールから少しタクシーに乗った郊外に巨大なモールがある。内部は人工の川が流れ、ブランド店含め、400以上もの店が並ぶメガロポリスのような、東南アジア最大級の「街」ともいえるかもしれない。【Mid Valley Megamall】 http://www…

play leap-frog to Sep.

300円で食べられるランチも、2,000円のランチもどっちもあっていい、という市場原理としては間違ってないからで、というには、アベノミクスだけじゃなく、人口動態と市場スキーム、要は産業体系の変容の中で、実体経済(家計面)で息苦しさをおぼえる人たち…

Recent Defense

この夏は水面下で進め、考えることばかりで、秋以降、更には来年以降の案件群にもアタッチしていた所為か、現在進行形のアクチュアルな言葉を届けることが出来なかったのは課題として、いつになっても慣れない天災、人災が続くために、マクロ大の地球の環境…