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インドネシアに今、注視が集まっていますが、まず、基礎的なデータとして。

人口規模は世界4位、2億3,764万人(注:2010年、JETRO、外務省)、2010年には名目GDP国内総生産が3,000ドル、日本円では、約23万5,000円ほどを越え、汎的に3,000ドルを境に、耐久消費財、つまり、自動車、家、電気製品などの普及する「目安」と言われてもいます。「生活」そのものから「消費」、「文化」、「先進性」の分岐。

多くの島に分かれていますが、メインはジャワ島、総人口の6割の方が住んでいます。国土領域でいえば、7%ほど。バリ島は観光資源として大きく、マラッカ海峡は周知のとおり、中東などからの日本へのエネルギーの通り道です。

ジャワ人、スンダ人、マドゥラ人、バタック人など多様な民族から成り立ち、それぞれの民族性の差異はあります。インフラ不備、トラフィックの混沌から、まだ、これからの部分もあります。ただ、アジア圏域では突出して中間所得層のマスが明らかに増えているのもあり、そこにマーケティングを合わせる市場サイドの要請、および、投資先としての評価の高まりは強く、進出戦略を練る外資系、国内企業は増加傾向にあります。

なお、新興国が急激に伸長する際には、階層性が際立つとともに、貧富差に対してのセーフティーネットが肝要ですが、例えば、中国では政治的な縛りは既存のままで形式資本主義を取り入れたのがこの10年ほどで、財政ではなく、金融政策に懸命だった反動も見えてきてもいます。

インドネシアであれば、電力差から多様な民族性を考えての新しい設定値が出てきます。作り直さないといけない企業、ブランド・イメージ、その場所に併せたクオリティー・コントロール。加え、例えば、エステイト・リスクへのレバレッジの中長期性を考えるよりも、初期投資に重きを置く傾向も根深く、いわゆる、中長期経営計画を置いての進出に関しては多くの「含み」が出てきます。政情、治安が比較的、安定しているとはいえど、政府・官公庁サイドの不安定さや汚職も目立ちますし、この経済成長に対しての明確な直截的なものではない、政策面での課題は尽きません。後回しにされていました、トラフィック関係もようやく動き出したくらいで、外貨獲得だけではない国内の舵取りの細部はより地表化してゆくかもしれません。