For A Tomorrow

参考までに、日本の借金時計というものがあります。

http://www.takarabe-hrj.co.jp/clockabout.html

1,000兆円近くに進みながら、昨年の3月末時点で総務省住民基本台帳に基づきます日本の総人口は1億2,639万3,679人と4年連続減少し、いわゆる、生産年齢人口(15歳〜64歳)は7,895万7,764人となり、全体の62.47%となっています。同時に、昨今は調査に異国の方を含めますので、それを鑑みますと、ボリュームは拡がり、かなりの割合で異国の方の労働力が下支えしている現状があります。ただし、問題なのは生産年齢人口の内訳でしょう。若年非正規雇用者の数は増えていく中で、65歳以上の老年人口は3,000万人台に乗ってきています。雇用や生産の椅子の数に対して不釣り合いな人口幅と格差は厳然と広がっています。

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また、明日、明後日に行なわれます、いわゆる、センター試験の確定出願者数は560,670人と前年比で97.8%と横ばいと見てもいいでしょうか。現役生は減っていますが、高校既卒者等は3,876人増えているものの、来春の新規高卒者は1,052,627人ですから、全体的に減っています。規模の問題ではなく、経済的与件も今は大きく、奨学金に関しては昨今でもニュースになっていますし、学費の高騰に比して、対効果がないという指摘もよくされています。大学受験から大学卒業までの費用は、以下、初年度納付金の目安を慮りますと、よく分かります。

参考:高校生の保護者のための大学進学情報サイト
http://manabi.benesse.ne.jp/parent/qa/qa_03_01.html

それでも、日本はまだ学歴社会、新卒採用システムが既得性を保っていますから、証明状のために、就職予備校的に「大学」は機能しているところは否めません。緩やかに内部変化はしていっていますが、高等教育機関として学部では露骨に定員が足りないところは分かれています。

要は、食べていける学問(学問にこういった冠詞をつけるのも厄介ですが)に集約されていっています。文学部や経済学部などはやはり疎遠されます。増えていますのは、医学部、教育学部看護学部、理工系でしょうか。「手に職」とまではいかなくとも、学歴保証以外の部分での公的資格やスキルを保持できる場所に向かうという必然性。

しかし、となりますと、教養面での衰微は出てきます。文学や哲学なんて知らなくても生きていけますよね、っていうのは正しいですが、それが育まれなくなってゆく国は静かに終焉の縁に立ちます。なお、何が「終焉」するかどうかは現代社会そのものが後々から生成されたものなので、そのままの字義じゃなくてもいいとは思います。

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こういったトピックスはもう周知である程度の悲観を誘引せしめるかもしれませんが、冒頭に返りますと、なぜに借金が1,000兆円ほどありましても保っているかといいますと、端的に金融資産が400兆円ほど、固有資産が495兆円ほど、そして、高齢者の個人金融資産が1,500兆円あるというのも遠因ですが、その高齢者の1,500兆円は休眠資産という訳では勿論ありません。年配の方の箪笥預金を狙った政策も打ちだされようとしていますし、年金や高齢者の医療制度のシェイプははかられていますが、富裕ではない高齢者層も当然、少なくない訳で、そこは老々介護や生活保護として何かと困窮しています。老人と孫の風景が珍しくなくなりました瀬に、労働する分だけの慰労と価値があるのか、また、遣り甲斐がそこに伴うのか、再考が求められながら、ただ「生活する」ことだけで辛苦が尽きない場所で、今や国際金融経済は脈的に繋がっていますから、隣国、韓国経済の危うさや中国のバブルの現実的な崩壊は言われているとおり、そこが何かしらの金融恐慌を起こした際に対岸の火事ではないということで、アベノミクスとは結局、誰が得をしたのか、といいますと、今年4月からの状況論で露呈してくると思います。明日のために、降りられない列車が高度化されました資本主義ですから、そこでどう抗うかというのもひとつの宿命なのですが。